発達障害でも、そうでなくても、子どものお弁当って悩みますよね。
息子の幼稚園は、週2回お弁当の日があります。
そのほかの日は、お給食です。
お弁当はかなり試行錯誤しました。
最初は色々なものを入れてみましたが、今は、メニューが固定化して、いつも同じお弁当を持って行っています。
私もこれでいいんだ、と納得しています。
こうなるまでの試行錯誤の経緯と、なぜいつも同じお弁当でいいと思うようになったのかについてお話ししようと思います。
幼稚園の担任の先生の意見
発達障害グレーゾーンの息子は、幼稚園に入ったばかりの頃は、家では塩をかけたご飯とチーズ、ゆで卵の白身、あと、おやつのお菓子くらいしか食べなかったので、お給食が食べられるのか、お弁当に何を入れてやればいいのか悩みました。
それが、入園してみて、お給食は最初は食べられないものがあったものの、1か月もしないうちに完食するようになりました。
幼稚園という環境、先生、お友達、の力はすごいと思いました。
お弁当については、幼稚園から、「お弁当に慣れないうちは、好きなものを、食べきれる量でお願いします」とお便りがありました。
それで、最初の頃のお弁当は、息子の食べるものだけ持たせました。
おにぎり、チーズ、ゆで卵の白身だけ。
小さいお弁当箱ですがスカスカでした。
何回かして、先生から、「お給食は何でも食べているので、お弁当に、毎回1つは嫌いなものを入れて、何でも食べられるように頑張ってみましょう」と言われました。
それで、家では絶対食べない、野菜や果物(ブロッコリー、トマト、きゅうり、りんご)や、肉類やその他のもの(唐揚げ、チキンナゲット、ウインナー、ちくわ、カマボコ)も、一回一個入れてお弁当を作りました。
息子の反抗
嫌いなものを入れても、最初の頃はお弁当を綺麗に食べて来ていました。
家では相変わらず食べないままでしたが。
「なんだ、食べられるんだ!」と、私は嬉しかったです。
が、ある日、お弁当の時に、唐揚げを落としてしまったということがありました。
幼稚園では、お弁当で、残したものや、落として食べられなかったものがあった時は、お弁当箱に入れて持ち帰るようにしていて、「残しました」「落としました」と、帰るときに伝えてくれます。
その後数回、お弁当の時、おかずを落としてしまったと持って帰って来ることが続きました。
そんなに落とすかな、食べ方が下手なのか、補助箸の使い方が下手なのかな、と思っていたら、ある日、同じクラスの女の子が、
と教えてくれました。
投げてた!?
食べてると思っていたのに、実は息子、食べたくないものをわざと落としていました。
ショックでした。
息子と話をしても、「落とした」としか言いません。食べ物をわざと落とすのは悪いことだよ、食べたくないものがあったら言ってちょうだい、と聞いても最初は返事もしませんでした。
また、別の日、ミニトマトを入れた日に、先生から、「ミニトマトに15分かかりましたが全部食べました」と言われた日があって、15分もかけてミニトマト1個を食べているの!?と驚きました。
息子に、ミニトマトは嫌だったの?と聞いても、最初はやっぱり返事もしてくれませんでしたが、夜になって、「嫌いなものは入れないで」とやっと自分で話してくれました。
それからは、毎回、「これは食べられそう?」「お弁当にいれていい?」と聞くようになりましたが、聞けば、ほとんど、「嫌」と言います。
お弁当に入れられるものがほとんどなくなりました。
それでも、お給食で食べられて先生にもすごく褒められた、と、「ブロッコリーをお弁当に入れていいよ」と、息子から言ってきたときはうれしかったです。
療育に通い始めて、感覚過敏について詳しく知る
そんな試行錯誤をしていましたが、年少の夏から、発達障害グレーゾーンということで、療育に通い始めました。
そこで、発達障害についてより詳しく教えてもらいました。
発達障害のある子の偏食は感覚過敏からきていることが多いこと。
感覚過敏は脳が刺激を敏感に感じ取ってしまうようになっているので、頑張って治るようなものではないことなど、を教えてもらいました。
感覚過敏について下に簡単にまとめておきます。
聴覚 | 突然の大きな音が苦手、教室のざわつきで苦しくなる、刺激がほしくて耳を叩きたくなる |
視覚 | すごくまぶしがる、白地の紙にプリントされた字が読めない、回っているものなどをいつまでも見続ける |
嗅覚 | 石鹸、香水などの匂いで気持ち悪くなる、なんでも匂いを確かめる |
味覚 | 特定の食材が絶対に食べられない、吐く、変化が苦手で決まったものだけ食べたい |
触覚 | 暑さ寒さに敏感、手をつなぐのが苦手、ずっと何かを触っている |
前庭覚 | 乗り物酔いをしやすい、姿勢保持が苦手、ぐるぐる回るのが好き |
固有覚 | 力加減が難しい、よくものを落としたりこぼしたりする |
また、このような感覚過敏などがあるのを知って、自分でも調べているうちに
「LITALICO 発達なび」というサイトで、
「好きな物だけお弁当に詰めた日々。それは発達障害の息子にとって大切な時間だった」というコラムを見つけました。
(こちらのサイトは無料会員登録、有料会員登録しないと見られないものもありますが、このコラムは登録しなくても読めます。)
このコラムを書かれた方のお子さんも発達障害のお子さんがいて、偏食で、お弁当の体験をかかれているのですが、小学生になった息子さんの言葉に感動しました。その言葉を引用させていただきます↓
「お母さんのお弁当には、僕の嫌いなものは絶対入ってないんだ。幼稚園の頃はいつも、安心しきってお弁当箱を開くのが当たり前だと思ってたんだ。給食みたいに、出てくるときに怖い気持ちにならなかったんだ。お母さんのお弁当は、安心できたんだ。」
「好きな物だけお弁当に詰めた日々。それは発達障害の息子にとって大切な時間だった」より引用これを読んで、息子もお弁当に、こんな安心感を持ってくれたらいいな、と思いました。
お給食はすごく頑張って食べているのだから、お弁当は頑張らずに、ただ、安心出来ればいいなと。
幼稚園の先生にも、お弁当では頑張らせないことにしました、と話をしました。
偏食息子の、いつも同じお弁当
それで、年少の秋ごろから、ずっとこんなお弁当です。
のりたまおにぎり(100均のふりふりおにぎり器で丸くして)6個
ゆで卵の白身2かけら
冷凍の唐揚げチキン1個
焼きそば
ゆでたブロッコリー
チーズ
全部好きなものだけです。
野菜が小さなブロッコリーだけ、おにぎりと焼きそばが入っているし、栄養バランスが偏っているのは良く分かっていますが、息子が頑張らなくても食べられるメニューです。
食べることが嫌なことにならないように、安心してお弁当を開けられて、全部食べられるうれしさを味わって、ゆっくり大きくなってくれればいいと思います。
にこっとゆるっといきましょう。
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